帰宅願望ってなんだろう?


午後5時ちょっと前。椅子に座りながら両手を上に伸ばし一言。
「今日は早く帰ろう!」
これは私の帰宅願望です。
私は認知症ではありません。
私の「今日は早く帰ろう!」の意味は
→疲れたので休まる「家」に帰りたい・・・・。
→どうしても観たいTV番組が早い時間にあるので、ゆっくり鑑賞できる「家」に帰りたい・・・。
→ストレスが溜まっているので、心安らぐ「家」に帰りたい・・・。
こんなところでしょうか?


Aさん。68歳 女性

食事をきれいに召し上がることができません。
配膳されると いつも一言「家に帰りたい・・・。」
スーパーデイようざんではAさんにとって家を「他人の目を気にしなくていいところ」と考え、Aさんには個室を用意しそこで食事を召し上がって頂くようになりました。
食事をこぼすことが恥ずかしかったのでしょう。2週間ほどで食事中の帰りたい・・・がなくなり穏やかに過ごせるようになりました。

認知症高齢者の介護に携わり悪い意味で慣れてしまうと、
「帰宅願望」の意味するところを考えなくなり、通り過ぎてしまう気がします。
認知症になっても全てを失う訳ではなく言動ひとつひとつに意味があり、メッセージがこめられています。

 
スーパーデイようざんでは高齢者ひとりひとりに向きあい、考える介護を
これからも続けていきたいです。