入浴に対し必ず拒否する利用者様に対して


利用者S・O様(男性、86歳、要介護2)は、高崎市内のデイサービスを利用しながら、認知症対応型通所介護のスーパーデイようざん栗崎のご利用開始となりました。

 

 長男、長女とも他県にて生活している為、家庭内は奥様との2人暮らし。近年、認知症の症状が著しく進行し、以前からの話好きからか、短時間に同じ話を何度も繰り返すS・O様に対して、喧嘩になることがしばしばで、奥様は精神的に疲れ果てている状態。その中で、必ず言い合いになるのが入浴の事。自宅で入浴することは本人の気分次第で可能な時もあるそうですが、洗髪に関しては絶対にしていないと、奥様は訴えます。「だから、デイに行った時くらいはお風呂に入って全身洗ってきて欲しいんです」と。ところが、通われてるデイサービスでは、毎回入浴拒否で利用開始時から1回も入浴したことが無い。そのような状態である為、奥様は疲れの中で諦めていました。

 

 スーパーデイようざん栗崎でも、初回利用日は奥様から「どうせお風呂入らないと思うので着替えなど無しでお願いします」とお迎え時に言われ、ご本人も「風呂なんか外で入るもんじゃねぇ」「俺は家で毎日入ってんだからいいんだよ」と本人主張を貫かれてしまいました。しかし、初回利用日お話して感じ得られたことは、S・O様は話だけでなく、歌も好きで、好きなことをしている時は気分も良く、こちらからのお願いも「そうかい、しょうがねぇなぁ」と受け入れて頂ける雰囲気もありました。そこでご利用2回目以降からは、S・O様が来苑した時点で、スタッフ一人がS・O様の隣で充分なコミュニケーションをとり、S・O様の気分の高揚を促す努力をしました。そして、S・O様の表情が明るくなっているところで、入浴を促し浴室の中へ入って頂きました。スーパーデイようざん栗崎の浴室は小さな浴室で、洗い場が2つに個人浴槽がひとつあるだけで、利用者様は、お一人づつゆったりと入浴して頂きます。S・O様お一人と介助者が一人という状態なので、S・O様自身もその前の段階の気分の高揚もあり、安心して浴室に入ることができたのかもしれません。洗身されている時も常にS・O様の気分に向き合っている状態で介助を行いました。その後みごと洗髪にも成功したのです。この方法で、次の利用日もその次の利用日も成功し、S・O様がその後入浴中止となる日はありませんでした。奥様や担当ケアマネジャー様からは、驚きと感謝の言葉が絶えませんでした。

 

 専門的な少人数制のユニットで一人一人の精神状態にまで向き合える個別の対応、手厚く深く人間関係が築ける現場だからこそ、実現できたのではないかと思えるのです。

 

スーパーデイようざん栗崎(大島)